RIX合同会社(東京都港区、代表社員 横井 浬玖)は、展覧会『脳内混乱中』の構想を公表し、開催に向けた計画を本格的に始動したことをお知らせいたします。
本展は、「感情や思考がまだ整理できていない状態」をテーマに、
“脳内に入り込んだような没入体験”を通じて、鑑賞者が自身と向き合うことを目的とした展示空間を構想しています。
『脳内混乱中』は、表現者の“完成された作品”を並べる従来の展示形式ではなく、
混乱・曖昧・未完成といった状態自体に価値を見出し、それをそのまま展示する試みです。
展示空間は5つのパートで構成され、冒頭のセクション《混乱》では、無数の小型ブラウン管ディスプレイから発せられる断片的な映像と音声が、視覚と聴覚をじわじわと侵食していく暗黒の空間が広がります。
わずかな光とノイズの奔流の中で、来場者は自分自身の記憶や感情の奥底と出会う没入体験を迎えます。
続く《定まらぬ》では、鑑賞者が混乱の中で湧き上がった感情を付箋に書き出し、不安定に吊るされた半透明の布に貼りつけていく参加型の空間。
揺れる布と記された言葉たちが、未整理の感情の可視化を静かに促します。
また《作品群》では、芸術学生による未完成の作品を展示。評価や完成度を超え、衝動そのものが表出した表現の原点に立ち返る空間です。
《言葉にならない》では、学生たちの葛藤や迷いの語りが無編集の映像で淡々と流され、来場者は他者の声を通じて自分の感情を思い出すような深い共鳴を体験します。
そして最後の《あ!》では、大都市の夜を模した風景の中に、偶然訪れるひらめきや違和感の瞬間を仕掛けとして演出。
日常に潜む「気づきの予感」をそっと差し出すような空間となっています。
鑑賞者は作品を観るというよりも、感情の渦の中に足を踏み入れ、自分自身の記憶や混乱と向き合うことになります。
今回の構想においては、映像、音響、空間演出、匿名的な対話といった要素を組み合わせ、
「他人の作品を見る」のではなく「自分の中に潜る」ことに重点を置いた空間設計が特徴です。
作品ジャンルにとらわれないインスタレーション中心の構成を予定しており、来場者の感覚そのものを静かに揺さぶる展示を目指します。
副題である「ごめん、まだ整理できてない。」は、
誰もが抱える“未整理な何か”に対して、肯定と対話の視線を向けようとするメッセージです。
本展は、感情の混乱や言葉にならない衝動を、無理に言語化せず、
そのまま差し出す勇気を支えるような場になることを目指しています。
なお、本展は2025年度内の開催を目指して現在準備を進行中であり、
今後は制作協力者の募集・開催概要の決定・展示試作など、段階的に展開を行っていく予定です。